7月2日、参議院選挙を前に行われた党首討論会(日本記者クラブ)における、石破茂首相の発言に波紋が広がっています。
石破首相は、日本語と日本の習慣に関して(外国人にとって)「七面倒くさい」と発言。
令和の現在、日常会話では用いられるケースが少ないと思われる「七面倒くさい」というフレーズですが、今回の場合、石破首相が公的な場で使用したことで注目が集まっているようです。
石破首相の発言で問題とされた「七面倒くさい」の語源や意味についても詳しく解説していきます。
•「七面倒くさい」の語源や意味は?
•「七面倒くさい」の語源は江戸時代?
•「七面倒くさい」は方言?
•石破首相の「七面倒くさい」発言が波紋!
「七面倒くさい」の語源や意味は?
石破首相が発言し問題となっている「七面倒くさい」の語源は、「七(しち)」と「面倒くさい」を組み合わせた言葉で、「非常に面倒くさい」などの意味になります。
「面倒くさい」の意味は理解できますが、なぜ「七(しち)」という数字が使われているのでしょう。
令和の時代において、普段の会話であまり聞くことのない「七面倒くさい」のフレーズ。
「七面倒くさい」の語源や意味を解説していきます。
「七面倒くさい」の語源は?
前述の通り、「七面倒くさい」の語源は、「七(しち)」と「面倒くさい」を組み合わせた言葉です。
•七(しち)……単純に数字を表しているのではなく、形容詞や形容動詞の上にポン、とのせて、程度を強める「接頭語」の「しち」です。
•面倒くさい……「目に見るのもムダ」の意味の「目度な(めどくな)」が変化した言葉。
「七(しち)」+「面倒くさい」=「七面倒くさい」となり、「面倒くさい」という煩わしいイメージを強める表現になります。
「七面倒くさい」の意味は?
「七面倒くさい」の意味は、「面倒くさい」をさらに強調した表現になり、「非常に煩わしい」「ひどく厄介」などの意味になります。
「面倒くさい」と表現するよりも、より一層の煩わしさや厄介さを表す時に使われるようです。
「七面倒くさい」の他に「しちくどい」「しちむずかしい」という使用例があり、煩わしいというネガティブなイメージを強める表現です。

さすがに現代において日常会話で「しちくどい」「しちむずかしい」というフレーズを使う人に出会ったことがありませんが……。
「七面倒くさい」の語源は江戸時代?
「七面倒くさい」の語源は、江戸時代にはあったと思われます。
「接頭語」の「しち」は、平賀源内も使っていたようですね。
「娘めが目を覚まし 邪魔ひろげば ひち面倒」
※1770年初演の浄瑠璃「神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)」の一節。

石破首相も250年前であれば、何も批判されなかったかもしれませんね。
「七面倒くさい」は方言?
「七面倒くさい」は方言では?というコメントがネット上にあるようですが、「七面倒くさい」は厳密にいうと、方言という確実な情報や学術的な根拠はないようです。
西関東の多摩弁ではないか?、八王子弁ではないか?などの説があるようでが、これらの地域のみで使われている訳ではないようですので「方言」とは言えないようです。
令和の時代において、普段の会話で「七面倒くさい」を使用するのは年配の方に限られますし、若い世代にとっては「それ、どっかの方言なの?」と感じることがあるかもしれません。
「七面倒くさい」の「七(しち)」には「とても」と程度を強調する意味合いがあるので、「七面倒くさい=マジでだるい」的な感覚で解釈するといいかもしれませんね。
石破首相の「七面倒くさい」発言が波紋!
石破首相の党首討論会での「七面倒くさい」の発言が波紋を呼んでいます。
石破首相は人手不足が問題となっている現状をふまえ、外国人を労働力として積極的に受け入れる考えを述べる流れで、以下の発言が続いたようです。
「七面倒くさい日本語、日本の習慣を日本政府の負担によってでも習得してもらい、適法な人に入ってもらう」と述べた。
引用元:Yahoo!ニュース
この発言に対し、自民党以外の政治家からも批判のコメントが上がっています。
日本語のどこが七面倒くさいと言うのか?日本の習慣のどこが? https://t.co/toAOSBQPh1 pic.twitter.com/rSIL69fzHR
— 原口 一博 (@kharaguchi) July 2, 2025
外国人受け入れ 石破首相「七面倒くさい日本語、習慣は政府の負担ででも習得してもらう」
— 小沢一郎(事務所) (@ozawa_jimusho) July 2, 2025
日本の言葉や伝統・文化に対する畏敬の念が感じられない。多くの国民を不快にさせ、総理として全くふさわしくない発言である。 https://t.co/o0Xz5nnndc
日本国民からも批判の声。
「七面倒くさい」とは、一体どういう意味?
— えんじょうじ@トレンド情報 (@enj0j1) July 2, 2025
石破首相の発言が、思わぬ反響を呼んでいます。
「日本の文化を軽視するのは許せない」と、多くの声が上がる中で。
美しい日本語と習慣を愛し、誇りに思う気持ちが試されています。#七面倒くさい #日本文化 #言語感覚https://t.co/dGvbt1IxOJ
参議院を控えた石破首相や自民党にとって、まさに語源通りの「七面倒くさい」状況になっているようですね。
石破首相の「七面倒くさい」は何が問題?
石破首相の「七面倒くさい」発言は、日本語と日本の文化に対する、極めて雑で軽率な表現が問題となっているようです。
おそらく石破首相は、異国の文化になじむのは非常に大変という一般論をふまえて、外国人にとって日本語はムズかしいだろうし、日本固有のしきたりは独特、という意味合いで使用したのでしょう。
外国人労働者受け入れの是非はともかく、石破発言の意図はある程度理解できますが、とにかく選択したワードのセンスが………。
昨今、政治家や芸能人のコメントに対して、マスコミやネット上で揚げ足取りのような不毛な批判が展開されるケースが増えています。
しかし、今回の「七面倒くさい」発言に関しては、一国のトップとしては雑すぎる、軽率すぎる、という誹りを免れないのではないでしょうか。
石破首相の「七面倒くさい」ではなくどう表現すべき?
石破首相の「七面倒くさい」というフレーズではなく、もう少していねいに表現すべきでした。
例えば……
外国人にとってはなかなかムズかしい日本語、そして慣れない日本の習慣を日本政府の負担によってでも習得してもらい……。
特別なことではなく、ほんの少し気を配ってていねいに表現すれば(外国人労働者の受け入れ、という問題はさておき)、これほど突っ込まれる事態にならずにすんだのではないでしょうか。
まとめ
7月2日の党首討論会において、石破茂首相が日本語と日本の習慣に関して「七面倒くさい」と発言し波紋が広がっています。
日常的に聞く機会がほとんどない「七面倒くさい」の語源は、「七(しち)」と「面倒くさい」を組み合わせた言葉で、「非常に面倒くさい」などの意味になります。
一国のトップが発言するフレーズにしては、あまりにも雑すぎる、軽率すぎる、と政治家や国民から、多くの批判的コメントが寄せられています。
日本語と日本の伝統文化に対して、もっと自信と誇りをもつ姿勢が求めらるのではないでしょうか。
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